2012年7月11日【第7回里都づくりフォーラム】

イベントレポート

第7回フォーラムのゲスト(里都ナビゲーター)、トランジション藤野の榎本英剛(えのもと ひでたけ)さんより、「トランジションタウン」「トランジション藤野」についてのお話をいただきました。

 

・「トランジション・タウン」は、パーマカルチャー講師のロブ・ホプキンスによって2006年1月から英国南部のトットネスで始まった市民運動です。日本では約4年前から活動が始まりました。

・「トランジション」とは、「移行」や「切り換え」という意味を持つ言葉です。「石油などの持続不可能なエネルギーに過度に依存した社会」から、「地域にもともとある資源を活用した、等身大で持続可能な社会」への移行を志向しています。

・トランジションの大きなキーワードの一つは、「脱依存」です。

・一番大きな「再生可能なエネルギー」は、「市民の創造力」ではないかと思っています。

 

・「レジリエンス」という言葉もキーワードです。「変化に対して、柔軟に対応できる力」などと訳されます。「自分たちの力で何とかできる範囲を広げていく」ことを、トランジションタウンでは目指しています。

・トランジション・タウンの活動を説明するとき、「市民が自らの創造力を発揮しながら地域の底力を高めるための、実践的な提案活動」と表現しています。大切なのは「実践的な提案」を行うということ。単に「NO」と言うだけではなく、「ではどうしたらいいのか」を実践し、実例を示していきます。

 

・トランジション藤野を立ち上げまず行ったことは、「市民の皆さんと問題意識を共有すること」でした。そのため、映画の上映会や講演会などを行っていきました。

・藤野観光協会、まちづくりセンター、シュタイナー学園など、地元の関連団体との連携も促進していきました。

・トランジションの活動がきっかけとなり、藤野では様々なワーキンググループが発足しています。「地域通貨よろづや」「森部」「藤野電力」「お百姓クラブ」等など。

 

・トランジション藤野の基本活動方針は、「誰でも参加できる!」「会費等もなし!(よろづは例外)」「自分でやりたいテーマを出してもよし!」「いくつのグループ(部?)に参加してもよし!」「やりたい人が、やりたい時に、やりたいことを、やりたいだけやる」です。

・「私たちが自らの想像力を駆使して創造的に考えるなら、石油のない未来は現在よりも、むしろずっと良い社会になるかもしれない」、トランジション・タウンの創設者・ロブ・ホプキンスの言葉です。

 

「榎本さんのお話を聞いて印象に残ったこと」をテーマに参加者同士の話し合いの時間を設けました。その後の質疑応答で、トランジション藤野への理解が深まり、関心がどんどん高まっていきました。

 

今回のもう1人のゲスト、藤野電力の小田嶋電哲(おだじま でんてつ)さんより、「藤野電力の活動」ついてお話をいただきました。

 

・私が藤野に移住したのは、2007年12月です。当時は都内の会社で働いていました。

・トランジション藤野の活動にはじめて出会ったのは、移住して1年くらい経ったころだと思います。公民館での会合があるとのことだったので、参加してみました。

・そこで一番衝撃的だったのは、「今、ここから、できることを、楽しんでやろう」というメッセージでした。

・僕はどこかで「この文明は長くは続かない」と思っていました。いつの日か山の中で、自然や動物たちと一緒に暮らしていこうと考えていました。こんなことを考えているのは、自分一人だと思いこんでいました。

・しかし、トランジションのメンバーと話をしてみると、皆さんが同じような問題意識を持っており、その解決策も共感できるものでした。

・僕は実際に自分が動いていくのは、「いつか、どこかで」と考えていました。しかしトランジションのメンバーは「今、ここからやろう」そして「楽しんでやろう」と言います。僕は目から鱗が落ちました。何かが変わるのを感じました。

・藤野電力の活動は、大きく4つあります。

①お祭りやイベントへの再生可能エネルギーによる電源供給・・・一番最初に行った実践的活動です。

②再生可能エネルギー発電システム組立てワークショップの開催・・・2011年12月にスタート。現在は月に1回の頻度で開催しています。

③藤野地域の施主さん宅へ再生可能エネルギー発電設備の施工・・・建築士さんからの提案で施工が始まりました。

④市民発電所の建設

 

 

・②のワークショップについて・・・藤野電力は自分で電気が作り出せる「ミニ太陽光発電システム」の組み立てワークショップを定期的に開催しています。パネル、バッテリー、インバーターなどの機器を配線でつなげばでき上がり。電気のことはちょっと苦手というかたでも、実質2-3時間ほどの作業で完成するDIY感覚の手作りキットです。

・参加費は42,800円です。基本的には、「パソコンと照明の電気をまかなう」ことをイメージしキットを設計しています。

 

・藤野電力の活動は、実践的で泥臭いところからスタートしました。理論よりも「作りたいから作る」という発想で動き始めました。活動を継続していくと、少しずつ仲間が増えていきました。様々な専門分野を持った方が、様々な立ち位置で参加するようになりました。この多様さが、藤野電力の力になっていると思います。

 

【終了】イベント告知

◎【第7回】里都づくりフォーラム「トランジション藤野&藤野電力/榎本英剛さん・小田嶋電哲さん」

 

第7回の里都づくりフォーラムでは、神奈川県相模原市(旧藤野町)で活動されている「トランジション藤野」の榎本英剛(えのもと ひでたけ)さんと「藤野電力」の小田嶋電哲(おだじま でんてつ)さんをゲストとしてお招きいたします。

 

榎本さんは、イギリス在住中に「トランジション・タウン」の運動に触れ、日本でNPO「トランジション・ジャパン」を設立するとともに、藤野の地でトランジション・タウンの活動を始められました。

※トランジション・タウンとは、「市民の自発的な創意工夫による持続可能なまちづくり」を進める活動です。

 

藤野では現在、「藤野電力」「地域通貨よろづ屋」「森部」「お百姓クラブ」など、トランジション藤野から生まれた多くのワーキンググループが活動を行っています。

※「藤野電力」は、トランジション藤野内にできた市民グループで、現在は太陽光発電システムのワークショップの開催や各種イベントへの電力供給などを行っています。

 

当日は榎本さんと藤野電力の小田嶋さんから、

・「トランジション・タウン」とは何か?

・「トランジション藤野」の取り組み

・今話題の「藤野電力」の活動

などについて、お話をうかがいたいと思います。

 

トランジション・タウンの活動に興味をお持ちの方

住民主体の持続可能なまちづくりに関心をお持ちの方

地域での電力の自給自足に関心をお持ちの方

などにお勧めのフォーラムです。

 

ぜひご参加いただければと思います!

 

■ゲスト(里都ナビゲーター):

トランジション藤野 設立メンバー 榎本英剛(えのもと ひでたけ)さん

藤野電力 小田嶋電哲(おだじま でんてつ)さん

 

◎トランジション藤野のHP http://blog.canpan.info/team-80/

◎NPOトランジション・ジャパンのHP http://www.transition-japan.net/

◎藤野電力のHP http://fujinodenryoku.jimdo.com/

 

■日時:2012年7月11日(水)19:00~21:40ごろ

 ※開場は18:40ごろを予定しております。

 

■場所:コクヨ エコライブオフィス品川 5階スタジオ

 東京都港区港南1-8-35

 http://www.kokuyo.co.jp/creative/ecooffice/access/

 ※JR品川駅より徒歩10分

 

■定員:50名(先着順とさせていただきます)

 

■参加費:2,000円

 ※お土産付き

 ※参加費は当日会場にてお支払いください。

 

■主催:里都(さと)プロジェクト

■協力:エコ+クリCafe 

https://www.facebook.com/EcoKriCafe

 

■申込み方法:以下のフォームからご登録ください。

    ⇒応募締切りました。満員御礼ありがとうございました。