2012年6月16日【第6回里都づくりフォーラム】

第６回フォーラムのゲスト（里都ナビゲーター）、「Ｍystyle@こだいら」代表理事　竹内千寿恵（たけうち　ちずえ）さんよりお話をいただきました。

地域にはSOSを出している人がいます。そしてそのSOSに応えられる人もいます。しかし、その二者を結びつける仕組みがありません。私がコミュニティビジネスに関わろうと思ったのは、そんな気づきからです。

「Ｍystyle@こだいら」は、民設民営のコミュニティビジネス中間支援組織です。「住んでいるまちで自分らしく働く（ワークライフバランス）仕事作り」と「暮らしやすくあたたかみのある住み続けたいまちづくり」をコミュニティビジネスで実現することを目指しています。立ち上げ時のスローガンは、「好きなまちで　好きな仲間と　好きな仕事を」です。

コミュニティビジネスとは、「地域の資源をいかし、ビジネスの手法で、地域の課題解決と地域産業の育成・地域雇用創出を目指す民間事業」です。地域の課題を解決していたのは、今まではボランティアでした。しかしボランティアだけだと、どうしても限界が生じてしまいます。市民活動の自立した姿として、コミュニティビジネスは有効な手法だと考えています。

コミュニティビジネスでは、あらゆるものが活用資源になります。人材資源（知識・技術など）、自然資源（地質・生態系など）、情報・教育資源（大学・研究機関など）、歴史・文化資源（景観・史跡など）、産業、資金など。そしてそれらをつなぐネットワーク資源も非常に重要な資源です。

コミュニティビジネスは、「リアルＲＰＧ」だと思います。まずは情報を集めることが重要です。くまなく人に話しを聞いていきます。そして仲間をつくります。様々なタイプの仲間でチームを作ることが大切です。

小平市で始まっていることは、既存のセクターを超えた、同時多発「部活的」まちづくり活動です。誰かが新しい取り組みを始めます。すると「タガ」が外れ、「あ、やっていいんだね、こういうこと」と市民が思うようになります。そして同時多発的に様々な動きが起こっていきます。

例えば「ブルベープロジェクト」これは、小平市職員+大学生+市内事業者ではじまったプロジェクトです。また「こだいら奏でるマップ」という活動もあります。これは、小平市職員＋コミュニティカフェで出会った人々＋小平市民で進めているプロジェクトです。

多摩エリア全体では、「多摩CBネットワーク」という活動体が起こっています。多摩地域で開催されたシンポジウムがきっかけとなりスタートしました。この取り組みが契機となり、３年間で多摩全域にコミュニティビジネスが広がっていきました。

「多摩CBネットワーク」のメンバーは、「発足時40名→2012年6月現在314名）となりました。個人、NPO、行政、企業、経済団体、金融機関など、多彩なセクターの方々が参加しています。

地域には、情報を身にまとって伝えていく「風の人」と情報を得てビジネスを形にしていく「土の人」がいます。コミュニティビジネスをつくっていくためには、風の人であり、同時に土の人であることが重要だと思います。

「ハブ（ネットワークの中心）」になる方とともに、「コネクター（異なるネットワークとネットワークを結び付ける）」の役割を担う方が大切だと思います。

コミュニティビジネスを育む創発的地域ネットワークの本質は、豊かな「ソーシャルキャピタル（人と人との信頼関係の蓄積）」だと思います。

どうやって生きていきたいかは、どうやって生を終えたいかということかもしれません。地域コミュニティで仕事をつくるということは、どう生きていきたいかを考え、自らそれを作ること。リタイアした後も長く続く時間の中で、あなたは、どこで、だれと、どんなふうに生きて、生をまっとうしたいですか？

「竹内さんのお話を聞いて印象に残ったこと」などについて、参加者同士で話し合いを行う時間を設けました。

今回のスペシャルゲスト　小平市・市民生活部の河原様より、行政の立場から「市民協働」や「コミュニティビジネス」についてお話をいただきました。

席替えを行い、「自分の地域でコミュニティビジネスを起こすとしたら、どんなことが考えられるか？」をテーマに話し合いを行いました。話し合いの後、竹内さんと河原さんへの質問の時間を設けました。

最後に、小平市の魅力や体験企画・イベントなどについてご紹介をいただきました。